株式会社プロパゲートでSEO記事制作サービス「スマートSEO」を率いる鈴木広幸さんは、明治大学卒業後、自動車部品メーカーで生産技術を担当し、2020年に独立してWeb集客の世界へ進んだ。ものづくりの現場で培った「仕組みで成果を出す」という考え方を、まったく畑違いの仕事に持ち込んだ人だ。

鈴木さんは1年かけて、記事を作って納品するだけのサービスから、お客様の成果が出るまで伴走するサービスへと仕組みを作り変えた。その結果、解約率は9%台から一時3%台前半へ——およそ3分の1にまで下がった。

一貫していたのは、「自分の発信が、会ったこともない誰かの役に立つ」という原点の手応えだった。工場の現場からWeb集客まで、その軸がどうつながっているのかを聞いた。

工場エンジニアからWeb集客へ

Q. 事業を始める前の経歴を教えてください。

鈴木:明治大学を卒業した後、自動車部品メーカーで生産技術を担当していました。ものづくりの現場で「仕組みで成果を出す」という感覚を叩き込まれた時期です。決められた手順や改善の積み重ねで、品質やスピードが確実に変わっていく。その面白さが体に染みついています。

工場のプレス機の前に立つ鈴木さん。エンジニア時代の一枚
工場のエンジニアとして働いていた頃

鈴木:その後、個人でWebメディアの世界に飛び込みました。ネット・車・グルメなど、ジャンルを変えながら10サイト以上を立ち上げ・運営して、並行してYouTubeチャンネルも育てました。登録者は15万人規模まで伸びました。「コンテンツで人を集めて、集めた先で成果を出す」ことを、ジャンルを変えながら何度も再現してきた感覚です。

Q. Webの仕事に惹かれた理由は何ですか?

鈴木:一番おもしろいと感じたのは、「検索から人が集まって、それが問い合わせや売上に変わっていく瞬間」でした。自分がひとりでコツコツ作ったサイトが、気づけば日本中の人に読まれるようになって、そこから実際に商品やサービスを買ってもらえる。画面の向こうに、自分の顔も名前も知らない誰かがいて、その人が「役に立った」と感じて動いてくれている。初めてそれを実感したときは、正直、鳥肌が立ちました。

Q. 収益以外にどんな手応えがありましたか?

鈴木:はい。ただ稼げた、という話ではないんです。自分の発信が、会ったこともない誰かの役に立っている。この手応えは、工場勤務では味わえなかったもので、「これを仕事にしたい」と心から思えた原点になっています。いまは、その喜びをお客様と一緒に、何度も生み出したいと思ってやっています。

Web集客の成果まで伴走するサービスへ

Q. この1年で最も大きく変えたことは何ですか?

鈴木:「記事を作って納品する」だけの会社から、「お客様の成果が出るまで伴走して、その成果を目に見える形で届ける」会社へと、サービスの中身をまるごと作り変えたことです。具体的には二つあります。一つは、記事の品質を根本から上げる仕組み。AIで下書きを作りつつ、「検索している人が本当に知りたい内容になっているか」「事実に間違いはないか」「日本語として自然か」を、人の目で段階的に3回チェックする体制にしました。もう一つは、集客の成果をお客様がいつでも確認できる、分析レポートの仕組みです。

SEO記事制作サービス「スマートSEO」公式サイトのトップページ
鈴木さんが率いるSEO記事制作サービス「スマートSEO」の公式サイト

Q. 変更前にはどんな課題がありましたか?

鈴木:一番の悩みは、一度ご契約いただいたお客様が辞めてしまうことでした。しかも、辞める理由の約8割が「集客の成果が見えてこない」というものだったんです。SEOは、成果が出るまでにどうしても時間がかかります。記事は毎月しっかり納品している。でもお客様からすると「本当に効果が出ているのか分からない」「良くなっている実感がない」という不安が募ってしまう。きちんと仕事をしているのに、その価値が伝わりきらない。ここが最大の課題でした。加えて、記事の品質も担当者によってバラつきがあって、会社として一定の品質を約束しきれていなかったんです。

仕組み化で解約率が9%台から3%台へ

Q. 取り組み後、どんな変化がありましたか?

鈴木:一番大きいのは、解約率が9%台から、一時は3%台前半まで改善したことです。およそ3分の1以下ですね。

解約率の変化を示す棒グラフ。改善前の9%台から改善後は3%台前半へ低下
分析レポートの提供や品質の仕組み化などの取り組み後の変化(一時的な水準を含む)

鈴木:「成果が見えない」という不安に対しては、分析レポートを定期的にお届けするようにしました。すると、解約を思いとどまってくださるお客様が出てきたんです。毎週のように「レポートありがとう」「状況が分かって安心した」と言っていただけるようになりました。品質面でも、AIと人のチェックを組み合わせたことで、業界最安値の水準を保ったまま質を上げられました。

Q. 解約理由も変化しましたか?

鈴木:そうなんです。以前は「品質や成果への不満」が中心だったのが、いまは「事業縮小」や「サイト売却」といった、こちらではどうにもならない要因が中心になってきました。サービスへの不満で辞められることは、着実に減っています。ここが一番、変化を感じるところです。

Q. 苦労したことや失敗を教えてください。

鈴木:三つあります。一つ目は、品質にこだわりすぎて、かえって遅く・高くなってしまった時期があったこと。最初は「良い記事を作らなきゃ」と人の手を入れすぎて、工数もコストも膨らみました。いまは「修正が必要な割合を数字で管理する」やり方に切り替えて、こだわる所とAIに任せる所のバランスを取っています。二つ目は、営業や運用のコツが、できる人の頭の中だけにあって共有されなかったこと。これを「みんなが見える場所でやる」「手順書にする」形に、地道に変えていきました。特定の人がいないと回らない状態から抜け出すのが、想像以上に大変でした。三つ目は、広告の失敗です。月に十数万円かけても問い合わせがほとんど取れずに止めたこともあります。良いサービスを作っても、その届け方でつまずくことはあるんだと痛感しました。

記事は集客成果につながってこそ意味がある

Q. 仕事で最も大切にしている考えは何ですか?

鈴木:納品した記事が、お客様の集客や売上という「成果」につながって初めて意味がある——これが一番大切にしている考え方です。記事を納品した時点はゴールではなく、あくまで途中経過だと思っています。

Q. 人と向き合うときに意識していることは?

鈴木:二つあります。一つは、「なぜそうするのか」を理由から話して、ゴールを共有すること。もう一つは、ミスは「人」ではなく「仕組み」で解決すること。誰かを責めても再発は防げません。仕組みを直せば、次から同じミスは起きなくなります。工場時代に学んだ考え方が、ここに生きていますね。

Q. 影響を受けた本や言葉はありますか?

鈴木:『エッセンシャル思考』という本です。「より多く」ではなく「より良く」。本当に大事なことだけに集中して、それ以外は手放す。この考え方は、いまの私の仕事のやり方そのものになっています。あれもこれもと手を広げるのではなく、「お客様の成果につながる、本当に必要なことは何か」を見極めて、そこに力を注ぐ。事業の方向を決めるときも、日々の優先順位をつけるときも、いつもこの本質思考が判断の軸になっています。

経営者の想いを届けるメディアへの挑戦

Q. 3年後の事業像を教えてください。

鈴木:3年後は、日本一のSEOコンテンツ制作サービスになっています。支援実績の数でも日本一の会社のWeb集客を支えている状態を、本気で目指しています。しかも「SEO記事の制作」だけにはとどまりません。記事はもちろん、動画、SNS発信、そしてブランディングまで、お客様の「伝える」をまるごと支える包括的なパートナーになっていたいですね。

Q. これから挑戦したいことは何ですか?

鈴木:経営者の「想い」を届けるメディア作りです。私たちが日々向き合っているのは、地域で真剣に事業に取り組む経営者の方々です。その方々のストーリーや挑戦を記事として世に出して、集客だけでなく「この会社を応援したい」と思ってもらえる。そんな、数字の先にある価値づくりにも挑戦していきたいです。

Q. 現場で頑張る方へ伝えたいことは?

鈴木:個人事業主や中小企業には、素晴らしい商品やサービス、真面目な仕事があふれています。でも、大企業のように広告に大金をかけられるわけではない。だからこそ、検索という「探している人と、応えられる会社を結ぶ仕組み」で、困っている人に適切なサービスが届く世界を作りたいんです。私自身、工場のエンジニアから、まったく違うWebの世界に飛び込んで、うまくいかないことも、撤退したこともたくさんありました。それでも続けてこられたのは、「誰かの役に立てた」という小さな手応えを、あきらめずに積み重ねてきたからだと思っています。大きな成果は、いきなりは出ません。特にWeb集客は、続けた人だけが実を結ぶ世界です。「いまやっていることは、本当に誰かの役に立っているか」——そこさえ見失わなければ、道は必ず開ける。同じように踏ん張っている方に、そう伝えたいです。

鈴木広幸さんが貫く「仕組みで成果を出す」思想

工場の現場で培った「仕組みで成果を出す」思想と、Webメディアで培った「コンテンツで人を集める」ノウハウ。一見つながらない二つの経験が、鈴木さんの中では「誰かの役に立つ」という一本の軸で貫かれている。解約率を3分の1にした取り組みも、その本質は華やかな施策ではなく、「成果を見える化する」「品質を仕組みで安定させる」という、地道で再現性のある改善の積み重ねだった。数字の先にある「応援したくなる会社」を増やしたい——その言葉に、この人がなぜメディアづくりに向かうのかが表れている。

鈴木広幸さん・株式会社プロパゲートの会社情報

株式会社プロパゲート スマートSEO事業責任者 鈴木広幸

鈴木 広幸/1990年生まれ。明治大学卒業後、自動車部品メーカーで生産技術を担当。2020年に独立し、個人事業主としてSEOライター、コンサルタント、講師、YouTube運営などを経験。2025年に株式会社プロパゲートへ入社し、SEO記事代行サービス「スマートSEO」の事業責任者に就任。「挑戦者の価値を届ける」というミッションのもと、検索からの集客を支援する体制づくりに取り組んでいる。

会社名株式会社プロパゲート
担当者スマートSEO事業責任者 鈴木 広幸
業種Webマーケティング
事業内容AIを活用したSEO記事代行サービス「スマートSEO」
スタッフ数15名
ホームページhttps://www.propagateinc.com/smart-seo