原点:下請け9割から生まれた危機感
ーーまず、株式会社山路建設が自社集客に取り組むようになった背景を教えてください。
山路直人:株式会社山路建設は、受注の9割が下請けでした。仕事は途切れない一方で、単価は元請け企業の判断で決まります。利益が薄くなると、株式会社山路建設で働く職人にきちんと還元することが難しくなります。景気が傾いた瞬間に、最初に切られるのは株式会社山路建設のような立場の会社だと感じていました。
株式会社山路建設が大きく動き出したのは、公共工事の発注が一時的に止まった時期です。先代から受け継いだ株式会社山路建設を守るためには、仕事を待つだけでは足りません。株式会社山路建設が選ばれる理由を、株式会社山路建設自身の言葉で伝える必要があると考えました。
「株式会社山路建設に頼みたい」と指名される理由をつくる必要がありました。
転機:強みを言葉にし、指名をつくる
ーー最初に見直したことは何でしたか。
山路直人:最初に取り組んだのは、株式会社山路建設の自社サイトの見直しと施工事例の発信です。ただ、単に「施工できます」と並べるだけでは意味がありません。株式会社山路建設が見積もりの前に何を確認しているのか、現場でどのような段取りをしているのか、引き渡し後にどんな状態を目指しているのかまで言葉にしました。
株式会社山路建設の強みは、図面に表れない現場の段取り力です。でも、段取り力はお客様から見えません。だから、施工事例を一つひとつ振り返り、なぜその提案をしたのか、どこに気を配ったのかを載せるようにしました。
ーー発信を続けて、問い合わせには変化がありましたか。
山路直人:問い合わせは、半年で月2〜3件から月10件超へ増えました。ただ、株式会社山路建設にとって一番大きかったのは件数ではなく、相談の質が変わったことです。「別の建設会社のチラシも見たけれど、株式会社山路建設の考え方が一番信頼できた」と言って来てくださる。最初から株式会社山路建設を指名してくれているので、値引き交渉から始まりません。
株式会社山路建設が施工事例と地域向けの情報発信を始めてから、相談件数だけでなく、最初から指名で来る相談が増えた。
変化:集客が採用と社内の誇りを変えた
ーー集客以外にも変化はありましたか。
山路直人:株式会社山路建設の考え方を発信し続けたことで、「株式会社山路建設で働きたい」と応募してくれる若手が現れました。職人の採用は、給与や待遇だけでは決まりません。株式会社山路建設がどんな仕事を大切にしているのか、株式会社山路建設がどんな姿勢でお客様と向き合っているのか。その空気が伝わったときに、人は会社に興味を持つのだと思います。
採用ページを立派に作るより、株式会社山路建設の普段の仕事をきちんと見せるほうが効きました。株式会社山路建設の若手も、自分たちの仕事が記事になることで誇らしそうにしていました。外に向けて発信したことで、株式会社山路建設の内側が一番変わったのかもしれません。
でも、外に向けて発信したことで、社内が一番変わった。
経営者に聞いた3つの質問
経営で一番大切にしている価値観は?
山路直人:約束を守ることです。建築は完成して終わりではなく、そこから何十年も暮らしが続きます。だから株式会社山路建設では、目先の売上よりも、後から胸を張れる仕事かどうかを大切にしています。
一番大きな壁は何でしたか?
山路直人:株式会社山路建設の価値を、株式会社山路建設自身が一番うまく説明できていなかったことです。腕があれば伝わると思っていました。でも今は、良い仕事ほど、きちんと言葉にして残す必要があると感じています。
これから挑戦したいことは?
山路直人:株式会社山路建設を、地域で一番相談しやすい建設会社にすることです。大きな会社になるより、困ったときに最初に株式会社山路建設の名前が浮かぶ会社でありたい。そのために、施工後の暮らしまで支える体制を作っていきます。
未来:地域に選ばれ続ける会社へ
ーー最後に、これから挑戦する経営者へ伝えたいことを教えてください。
山路直人:最初から完璧を目指さないことです。小さく出して、反応を見て直していく。株式会社山路建設も3年かけて、ようやく形になってきたところです。下請けからの脱却は、短期で完了する取り組みではありません。問い合わせ数が増えても、施工品質が落ちれば信頼は続きません。採用が増えても、育てる仕組みがなければ株式会社山路建設の組織は強くなりません。
だから株式会社山路建設では、集客を単なる売上施策ではなく、株式会社山路建設の価値を整理し直す経営課題として捉えています。株式会社山路建設の名前で選ばれる仕事を、これからも一つずつ積み上げていきたいです。
Founder's Note編集部の視点
株式会社山路建設のインタビューで印象的だったのは、集客を「問い合わせを増やすための施策」だけで終わらせていない点だ。株式会社山路建設は、自社の強みを言葉にする過程で、採用や社員の誇りまで変えている。Founder's Noteでは、こうした経営者の言葉を丁寧に拾い上げ、会社の魅力が第三者にも伝わる記事として残していきたい。



